家庭用脱毛器は、「クリニックやサロンに通うのは面倒」という方や、「なるべく安くムダ毛ケアしたい」という方を中心に選ばれています。
しかし、この家庭用脱毛器に「脱毛」の効果はありません。さらに、1度辞めてしまうとすぐに毛の成長が元に戻るため、ムダ毛をケアするためには半永久的に使用しなければいけません。
この記事では、そんな家庭用脱毛器の効果と出力、エビデンス、そして製品を選ぶときの注意点をまとめました。
信頼できる情報を探している方、「家庭用脱毛器はちょっと怪しい」と効果を疑っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
家庭用脱毛器に「脱毛」の効果はない!あくまでも一時的な減毛・抑毛作用のみ

ムダ毛ケアができることで人気の家庭脱毛器(家庭用光美容器)。
「サロン級の出力」「家庭用光美容器で全身脱毛できる」といった広告や口コミなども見られますが、実は脱毛の効果はありません。
低出力キセノンフラッシュ(IPL)など、光テクノロジーを駆使したアイテムであることは間違いないのですが、公式サイトや説明書などには「脱毛できる」「脱毛マシン」とは書いていないのです。
では、どんな効果が期待できるのかというと、一時的な減毛・抑毛作用です。
細胞が自ら死んでいく「アポトーシス誘導」などが起こり、一時的にムダ毛ケアができます。
一方、医療機関で受けられるレーザー脱毛では、毛根や毛包を破壊視することでムダ毛を少なくできるため、効果もアプローチ方法も全く違うというわけです。
なお、厳密に言うと以下のように複数の方式があり、IPLなどの光、熱線、高周波などのテクノロジーが採用されています。
- 光(フラッシュ)式
- サーミコン(熱線式)
- ローラー式
- 超音波式
- レーザー式
これらはすべて医療機器ではないので、「脱毛」と同等の効果は見込めません。もちろん永久脱毛の効果もないので、注意しましょう。
「ムダ毛を効果的に少なくしたい」「永久脱毛したい」という方は、家庭用脱毛器ではなく医療脱毛がおすすめです。
家庭用脱毛器で脱毛の効果が得られない理由は、出力にある

家庭脱毛器で脱毛の効果が得られない理由は、出力が抑えられているからです。
レーザーやIPL(キセノンフラッシュ)などの光エネルギーは、使い方次第で害にもなります。
専門的な知識や技術を持たない一般人が使っても、火傷や炎症などのリスクが減らせるよう、最低限の出力しか出ないように作られているのです。
出力が弱いということは、毛の再生能力や細胞に強い変化が起こるようなアプローチはできないということ。
そのため、家庭用光美容器を使っても脱毛の効果は見込めません。
「ムダ毛を処理してツルツルになりたい」「永久脱毛したい」と考えているなら、確かな効果に期待できる医療レーザー脱毛を選びましょう。
家庭用脱毛器による効果のエビデンスはほとんど存在しない
ちなみに、家庭用光美容器の効果について説明したエビデンスはほとんどありません。
エビデンスとは、医学的根拠のこと。「どういうエネルギーが体のどこに作用して、どんな変化が起こるのか、副作用や合併症はないのか」といった研究データを示すもので、医療機器や治療法、薬剤などの有効性がわかります。
もちろん、家庭用光美容器研究に力を入れている企業もあります。
「低出力キセノンフラッシュによる肌質改善・毛成長抑制法」という論文を出しているパナソニック電工株式会社がその最たる例です。
しかし結局、家庭用光美容器についての効果について示されたものはほとんどありませんでした。
ちなみに、医療レーザー脱毛の歴史は1983年に発表された「Selective Photothemorysis(選択的光熱融解)」という理論に基づくものです。
現在までに多くのエビデンスが発表されており、確かな理論に基づいた技術だと言えます。
家庭用脱毛器は医療機器ではない!誇大広告をするメーカーもあるので注意

そもそも家庭用脱毛器は医療機器ではないので、医療脱毛と同じような効果を持つことも、効果があると誤解させるような広告をすることも禁じられています。
今後、出力や技術面でどんなに優れた家庭用光美容器が現れたとしても、その効果はあくまでも「家庭向け美容・健康関連機器」の範囲内。
「家庭用光美容器に、美容クリニックや美容皮膚科が取り扱うマシン・施術のような効果はない」ということです。
日々見かける広告にもガイドラインというものがあり、化粧品やサプリメント、医薬品など、各製品ごとに「広告で表現できる範囲」が決まっています。
これは、私たち消費者が悪徳な広告表現に騙されないようにするための配慮だと言えます。
家庭用光美容器にも「家庭向け美容・健康関連機器 適正広告表示ガイド」というものがあり、「医薬品等の効能・効果について表現してはいけない」と決まっているのです。
つまり、医療機器ではない家庭用脱毛器の広告やサイトに「脱毛ができる」という表現があったら、それは真っ赤なウソです。
それでもガイドラインに沿っていないサイトや広告が存在することから、「家庭用光美容器=脱毛できる」という誤解が生まれているのでしょう。
もちろん、実際に悪徳な広告を出していることで罰則を受けている企業も増加傾向にあります。
消費者の立場である私たちも、広告やホームページ、口コミの内容を鵜呑みにせず、「ちゃんと信頼できる情報なのか?」と冷静になる必要があります。
そして、家庭用光美容器による減毛や抑毛ではなく、脱毛がしたいのであれば、医療レーザー脱毛を選んでくださいね。
確かな効果と安全性を求めるなら「医療脱毛」がおすすめ

- 家庭用脱毛器(家庭用光美容器)は出力が抑えられているため、「脱毛」の効果がない
- そもそも家庭用光美容器の効果やメカニズムに関する医学的根拠(研究データ)はほとんど見つからない
- 医療機器ではない家庭用脱毛器の広告やサイトに「脱毛ができる」という表現があったら、それは真っ赤なウソ
- 消費者の立場である私たちも、広告やホームページ、口コミの内容を鵜呑みにせず、まずは疑う力を養うべき
このようなことから、家庭用光美容器は「脱毛」の効果がなく、おすすめもできません。
また、光脱毛を取り扱っているサロンもありますが、やはり「脱毛」の効果はありません。
期待できるのはあくまでも「一時的な減毛効果」のみで、通うのを辞めればすぐに毛が生えてきます。
そのため、確かな効果を求めるのであれば「医療脱毛」がおすすめです。
信頼できるクリニックを見つけ、ぜひ前向きな気持ちで脱毛にチャレンジしてくださいね。