医療脱毛で永久的に脱毛するためには、1回ではなく、複数回通う必要があります。
そもそも脱毛の回数を左右するのは、毛の構造や毛周期、毛の太さ、皮毛角の4つ。
また、医療レーザーの力を使っても永久脱毛が難しく、より期間がかかる部位もあります。
そこでこのページでは、部位ごとの脱毛回数の目安と、その考え方についてまとめました。
「これから医療脱毛を受ける」という方、「サロン脱毛と比べている」という方は、ぜひ参考にしてください。
医療レーザーを毛に当てると4つの反応のうち、いずれかが起こる
医療脱毛に期待する効果としては、毛が永久的に生えてこなくなること=「永久脱毛」ですよね。
しかし、わたしたちの体には脱毛しやすい部位と脱毛が難しい部位があり、1会の脱毛で永久脱毛できるわけではありません。
なぜかと言うと、医療レーザーを当てたとき、すべての毛包が1度に破壊(永久脱毛)されるわけではないためです。
医療レーザーを当てると、毛は以下の4つのうち、いずれかの反応を示します。
どのような反応が起こるか、以下で見てみましょう。
レーザーの熱で破壊された毛根は、毛を作る能力を失い、毛が生えてこなくなります。
この状態こそ、いわゆる「永久脱毛」です。
レーザーの熱エネルギーにより、毛根は休止期に入ります。
毛根自体は損傷を受けていないため、6~9か月後には再び毛が生えます。
レーザーの熱エネルギーにより、外に出ている毛が焼けて無くなります。
毛根自体は変化していないため、1か月もしないうちに再び毛が生えます。
レーザーの熱エネルギーが小さいと、毛にも毛根にも反応が起こりません。
何事もなかったかのように成長を続けます。
医療レーザーを当てると、1つの毛根(毛包)につき、必ずどれか1つの反応が起こります。
ショックロスを受けた部位や休止期に入っている毛はレーザーで熱破壊することが難しいため、すべての部位を1回の施術で永久脱毛することができないのです。
そのため、全体で見たときに毛が薄くなったように見えても、実際は次の成長期に入るまで「どれくらい脱毛できたか」を実感するのは難しいでしょう。
ここで気になるのが、記事のテーマでもある「何回通えばいいのか」ということですよね。
次の項目で、部位ごとの脱毛回数の目安について解説していきます。
部位ごとの脱毛回数の目安は、5回から12回。ただし…
永久脱毛が完了する回数の目安としては、以下の通りです。
女性の場合は5~10回で完了する
部位 | 回数 |
ワキ | 5~10回 |
前腕・下脛 | 5~10回 |
背中・胸 | 5~10回 |
VIO | 5~10回 |
顔 | 10回以上 |
男性の場合は8~12回で完了する
部位 | 回数 |
ワキ | 8~12回 |
前腕・下脛 | 8~12回 |
背中・胸 | 8~12回 |
VIO | 8~12回 |
顔 | 10回以上 |
あくまでも目安ですが、「毛が薄くなった」と感じたり、自己処理が不要になったりするまでに5~8回程度、ツルツルの状態が実感できるまでに10回程度の施術が必要だとお考えください。
とはいえ、毛の密度や濃さ、角度、痛みの感じ方によって使用されるレーザーの種類も異なるため、「必ずこの回数で脱毛が完了する」とは言えません。
医療脱毛の回数について考えるときに大きく関わってくるのが、下記2つの要素です。
- 毛の構造と毛周期
- 毛の太さと皮毛角
どういうことなのか、以下で詳しく見ていきましょう。
永久脱毛の回数を左右する要素①:毛の構造と毛周期
毛の構造:毛乳頭や毛母細胞で作られる
私たちの毛は、毛乳頭や毛母細胞で作られ、上へと押し出されながら成熟して1本の毛になります。
毛を引き抜いてもまた生えてくるのは、毛包など、毛を成長させる組織が生きているからです。
そのため、医療脱毛では毛の成長を司る組織にアプローチすることで毛が生えないことを目指します。
毛周期:成長期→退行期→休止期→成長初期のサイクルを繰り返す
また、毛には「毛周期」があり、上図のようなサイクルを繰り返しています。
そして、次に下表に注目していただきたいのですが、部位によって休止期間・成長期間が異なります。
この表のうち、脱毛に関わってくるのが「成長期間」と「休止期間」です。
レーザーで効果的にアプローチできるのは成長期の毛のみで、約15~20%の毛がレーザーに反応します。
一方、休止期や退行期に入っている毛はメラニン色素が薄いため、レーザーにはほとんど反応しません。
レーザーを当てると①毛根の熱破壊②ショックロス③毛の一部が焼ける④何も起こらないの4つのうち、いずれかの反応があると言いましたが、このように反応が違うのはそれぞれの毛の成長段階が違うためです。
また、休止期間が長い毛ほどレーザーに反応する毛が少ないため、その分脱毛が完了するまでの期間も長くかかってしまいます。
永久脱毛の回数を左右する要素②:毛の太さと皮毛角
毛の「太さ」と「皮毛角」も、永久脱毛の回数を大きく左右します。
毛の太さ:太い毛は抜けやすく、細い毛は抜けにくい
まず「太さ」ですが、太い毛の毛根は長く(大きく)、細い毛の毛根は短い(小さい)という傾向にあり、毛の太さが倍になると、毛根の体積は8倍ほどになります。
また、毛に含まれるメラニンの量は毛根の体積に比例するため、太い毛ほどレーザーによる発熱量も大きくなり、脱毛が早く完了します。
この仕組みを表にまとめてみると以下のような感じです。
太い毛 | 細い毛 | |
毛根の大きさ | 長い(大きい) | 短い(小さい) |
毛根の体積 | 細い毛の8倍 | 太い毛の1/8 |
毛に含まれるメラニンの量 | 8倍 | 太い毛の1/8 |
レーザーに反応することで起こる発熱量 | 大きい | 小さい |
毛が抜けるスピード | 早い | 遅い |
「ワキやVIOなど太く濃い毛の方が脱毛しやすく、顔や背中などの補足薄い毛は脱毛の効果が出にくい」と言われるのは、毛の太さが関係しているのです。
ただし、毛根が大きくなるとその毛根を破壊するために必要な熱エネルギーの量も数倍になることが考えられるため、「太い毛が8倍脱毛しやすい」というわけではありません。
皮毛角:寝ている毛は抜けやすく、立っている毛は抜けにくい
次に「皮毛角」ですが、簡単に言うと「皮膚と毛の角度」のことです。
簡単に言うと、皮毛角が小さな毛=寝ている毛、皮毛角が大きな毛=立っている毛です。
VIOなどに生えている毛は皮毛角が小さく、レーザーが当たりやすいのに対し、顔や上腕などに生えている毛は皮毛角が大きく、レーザーが当たりにくいという違いがあります。
以下の表は、毛の太さと皮毛角から脱毛の難易度について考察したものです。
部位 | 脱毛の難易度 | 毛の太さ | 皮毛角 |
前腕 | 脱毛しやすい | 中くらいの太さ | 小さい |
下脛 | 脱毛しやすい | 中くらいの太さ | 小さい |
上腕 | 脱毛が難しい | 細い | 大きい |
ワキ | 脱毛しやすい | 太い | 小さい |
Vライン | 脱毛しやすい | 特に太い | 小さい |
背中 | 脱毛が難しい | 細い | 大きい |
女性の顔 | 脱毛が難しい | 細い | 大きい |
ヒゲ(男性) | 脱毛が難しい | 特に太い | 大きい |
このように、部位によって脱毛の難易度が異なるため、永久脱毛が完了するまでの期間も違うのです。
永久脱毛に必要な回数はさまざまな要素によって決まる
以上の解説を踏まえ、永久脱毛に必要な回数は、女性の場合は5~10回、男性の場合は8~12回が目安だとお考えください。
ただし、先述の通りさまざまな要素で脱毛効率が変わってくるため、「あくまでも目安」だと思ってくださいね。
「説明通り数回通ったのに効果が出なかった」と後悔しないよう、脱毛のメカニズムについて正しい知識を持ったクリニックに頼るというのもひとつの選択肢です。
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