肛門周囲余剰皮膚(スキンタグ)にお悩みの方には、外科的方法で切除することをおすすめします。
このページでは、肛門周囲余剰皮膚の原因や治療法、施術の流れ、注意点など気になる疑問をまとめました。
肛門周りの余剰皮膚(スキンタグ)が気になっている方は、ぜひご一読ください。
肛門は消化管の出口
肛門は排便、排ガスをつかさどる器官で、消化管の出口のことです。
肛門の長さは約3cmほどで、正確には肛門管と言います。
表面は粘膜で覆われており、外側に内肛門括約筋と外肛門括約筋があります。
内肛門括約筋は自らの意思で動かすことができませんが、外肛門括約筋は排泄等のときに自らの意思で動かせる随意筋です。
また、肛門には固形便か下痢便かガスかを判別するセンサーも備え付けられています。
痔について
そもそも痔とは、肛門に負担がかかり、肛門を閉じるクッションが腫れた状態のこと。
いぼ痔、きれ痔、あな痔の3種類があり、これら3つは3大肛門疾患と呼ばれています。
きれ痔は裂肛とも呼ばれ、硬い便や下痢によって肛門が切れた状態のことです。
あな痔は痔ろうとも呼ばれます。皮膚と粘膜の境目にあたる歯状線のくぼみから菌が入り込み中で膿がたまり、その膿が出た後に肛門内部に通じる管が残ってしまった状態です。
なお、日本人女性の3人に1人は痔についての悩みがあると報告されています。
肛門周囲余剰皮膚について
肛門周囲余剰皮膚は、これらの痔と大きく関係しています。
肛門周囲余剰皮膚は肛門周囲の膨らみのこと。
いぼ痔やきれ痔などで一時的に肛門が腫れてしまうことが大きな原因です。
痔によって腫れた箇所が治まった後、残った皮膚のたるみが肛門周囲余剰皮膚になるのです。
肛門周囲余剰皮膚は肛門皮垂やスキンタグとも呼ばれています。
肛門の外に柔らかい皮膚が出ている状態のため、基本的に痛みや出血はありません。
自覚症状としては、「肛門の周辺にイボがありずっと違和感がある」「排便の際に便がついて拭きにくい」などが挙げられます。
必ず取り除く必要はありませんが、余分な皮膚があるため排便後に肛門をきれいにすることが難しく、痛みやかゆみがもたらされることがあります。
また、1度できてしまった肛門周囲余剰皮膚は、自然消滅することはありません。
肛門周囲余剰皮膚が気になるのであれば、切除することをおすすめします。
肛門周囲余剰皮膚切除について
肛門周囲余剰皮膚切除では、肛門の皮膚の周囲にできた皮膚のたるみを切除します。
麻酔で感覚を取り除いた後に施術するため、痛みが不安な方も安心して施術を受けることができます。
抜糸のない施術の場合は、体内で溶ける糸を使用するため施術後に通院する必要はなく、傷跡も目立ちにくいです。
皮膚のたるみを切除することで、見た目が整うだけでなく、肛門の問題が改善されQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上につながります。
こんなお悩みの人におすすめ
肛門周囲余剰皮膚切除は、下記の悩みを持つ方におすすめです。
- 肛門の皮膚のたるみが気になる方
- 肛門に痛みやかゆみがある方
- 肛門の見た目を整えたい方
- ニオイや衛生面が気になる方
- パートナーに指摘されて気になっている方
ケア・予防策
肛門周囲余剰皮膚の主な原因は痔です。
痔にならないための予防策としては以下のようなことが挙げられます。
- 肛門周りを清潔にする
- お尻を温めることで血行をよくする
- 便秘や下痢の対策をする
- 排便時にはいきまないようにする
- 長時間同じ姿勢でいることを避ける
1度肛門周囲余剰皮膚ができてしまったら、内服や外服薬での改善はできません。
気になる方には、肛門周囲余剰皮膚切除を受けることをおすすめします。
治療法の種類
外縫い
外縫いは表面同士を糸で縫合する縫合方法です。
費用を抑えたい方におすすめですが、施術後の傷跡が目立ちやすくなることがデメリットです。
中縫い
中縫いは、溶ける糸を用いて副皮の内部から縫合する方法です。
より丁寧に縫合するので、傷跡が目立たないきれいな仕上がりが目指せます。
メス/RFメス
手術の際にRFメスと呼ばれる高周波メスが使われる場合がありますが、当院では安全性の観点から通常のメスを使用しています。
麻酔について
当院では静脈麻酔、エクスパレル麻酔、笑気麻酔を用意しています。
肛門周囲余剰皮膚切除の流れ
まずは患部の状態を確認・施術の説明を行います。
ご納得いただける場合は麻酔やマーキングを行い、施術に移ります。
メスを使用し、肛門周囲余剰皮膚を切除します。
医療用ボンドは使用せず、形成外科縫合のみで行います。
施術後に患部を確認し、問題がなければすぐにご帰宅いただけます。
手術当日は長時間の歩行や座位を避け、できるだけ安静にお過ごしください。
肛門周囲余剰皮膚切除のリスク・副作用
施術後、痛み、腫れ、赤みが発生することがありますが、1〜2週間程度で治まります。
肛門周囲余剰皮膚切除後の注意点
肛門周囲余剰皮膚切除後は、以下の点にお気を付けください。
- シャワーは翌日から可能ですが、擦り洗いは避けてください。
- 入浴は体を温めることで腫れが長引く可能性があるため、ワンデー(抜糸なし)の場合は2週間、抜糸ありの場合は1ヶ月程度避けてください。
- 激しい運動や手術部位に負担のかかるようなことは、1〜2週間程度お控えください。
肛門周囲余剰皮膚切除に関するQ&A
Q1.施術の傷跡は残りますか?
ほとんどの場合、傷跡は目立ちません。
個人差はありますが、腫れや赤みも1〜2週間程度で治まります。
Q2.施術中に痛みはありますか?
静脈麻酔、エクスパレル麻酔、笑気麻酔などを組み合わせ、痛みの少ない施術を目指します。
Q3.仕事はいつもどおりできますか?
仕事は翌日から可能です。
水につかるような職業の場合は1週間程度お休みすることをおすすめします。
肛門周囲余剰皮膚切除の費用
当院では、以下の料金で肛門周囲余剰皮膚切除術を提供しています。
- 抜糸あり/220,000円
- ワンデー(抜糸なし)/440,000円
お支払い方法など、詳しいことはカウンセリング時にご相談ください。