「会陰部贅皮切除術」は、出産によって会陰の形が変化してしまった方、出産の際の会陰切開の傷跡を綺麗にしたい方に適しています。
このページでは、そんな会陰部贅皮切除術の方法やリスク、施術の流れなどをまとめました。
会陰部の見た目が気になっている方は、ぜひご一読ください。
会陰部は腟口から肛門までの部分
会陰部とは腟口から肛門までの部分です。
いわゆる「Iライン」と「Oライン」の間です。
平均 | 最小値 | 最大値 | |
会陰の長さ | 21.34mm | 3mm | 55mm |
657人の女性器を比較したデータによると、会陰の長さの平均は21.34mmですが、それ以上の方もそれ以下の方もいます。
会陰部の内部には尿道や膣などの腹腔内の臓器を下から支える筋肉があります。
会陰部の皮膚の下には脂肪組織、平滑筋(へいかつきん)繊維などがあり、そのさらに奥には横紋筋からなる会陰筋層があります。
会陰部と出産の関係
会陰部と出産には密接な関係があります。
赤ちゃんを産む際、会陰の伸びが悪く硬いと皮膚が裂けてしまうことがあり、これを「会陰裂傷」と呼びます。
特に初産の方に多く見られますが、皮膚が裂けて尿道口や肛門、直腸まで達してしまうこともあり、なかなか治りづらいのです。
そして、裂けた部分が治るときに伸びた皮膚が余分なヒダのような状態で治ってしまい、皮膚が余ってしまっている状態を「会陰部贅皮(ぜいひ)」と言います。
そこで、母体と赤ちゃんの安全を確保する目的で行われるのが会陰切開です。
赤ちゃんが膣口から出やすくするために、外陰部を2〜3cm切り広げるのです。
統計的には76.7%方が会陰切開を受けています。
このように、出産によって会陰部の形や状態は大きく変化します。
会陰裂傷が起こった場合は贅皮が残ってしまう場合がありますし、会陰切開を行った際は縫合によって形が変わってしまったり、傷跡が気になったりするケースがあります。
後述する会陰部贅皮切除術は、会陰裂傷が起こった患部を改善したい方におすすめの施術です。
会陰部贅皮切除術は余分な皮膚を切除する施術
会陰部贅皮切除術は、会陰裂傷によって生じた会陰部の余分な皮膚を切除する施術のことです。
その際に、会陰切開によって生じた傷跡の見た目を改善することも可能です。
出産時の傷の付き方には個人差がありますが、患者様1人ひとりの状態に合わせて切開を行うことで、見た目の改善を目指せます。
また、会陰部のダメージが筋層にまで及び、それがうまく治っていない場合、膣のゆるみにもつながります。
このような場合は筋層同士を修復することで、見た目だけでなく機能的な改善を目指すことも可能です。
こちらは膣内にヒアルロン酸を注入する「G-Shot」という施術です。
会陰部贅皮切除術と合わせて受けていただくことで、腟の弾力性アップや性交時の感度アップを目指していただけます。
こんなお悩みの人におすすめ
会陰部贅皮切除術は、以下の悩みを持つ方におすすめです。
- 会陰部に余っている皮膚が多い
- 会陰部の形をきれいに整えたい
- 会陰部が黒ずんでいて気になる
- 会陰部がシワシワになってしまった
- 出産によって会陰の形が変化してしまった
- 出産の際の会陰切開の傷跡を綺麗にしたい
治療法の種類
外縫い
外縫いは表面同士を糸で縫合する縫合方法です。
中縫いよりも安価なため、「できるだけ安く済ませたい」「予算の関係で迷っている」という方におすすめです。
ただし、中縫いと比較すると施術後の傷跡が目立ちやすいというデメリットがあります。
中縫い
中縫いは、溶ける糸を用いて副皮(ふくひ)の内部から縫合する方法です。
外縫いと比較すると時間はかかりますが、その分、傷跡が目立ちにくい綺麗な仕上がりが目指せます。
メス/RFメス
切開の際にRF(高周波)メスを使用するクリニックもあります。
しかし、RFメスは灼熱によるダメージが大きいため、当院では通常のメスを使用しています。
麻酔について
当院では静脈麻酔、エクスパレル麻酔、笑気麻酔を用意しています。
ご希望に応じた組み合わせを提案しますので、カウンセリングの際にご相談ください。
会陰部贅皮切除術の流れ
まずは患部の状態を確認します。
不安なこと、疑問点がありましたらお気軽にご相談ください。
施術の前に、麻酔やデザインを施します。
メスで会陰部贅皮を切開し、縫合します。
施術時間は30〜60分程度です。
施術後に患部を確認し、問題がなければすぐにご帰宅いただけます。
手術当日は長時間の歩行を避け、ご帰宅後はなるべく安静にしてください。
会陰部贅皮切除術のリスク・副作用
施術後、多少の痛みや出血、浸出液が見られることがあります。
1ヶ月程度は性交渉のときに傷がヒリヒリすることがあります。
ほとんどの方は自然に改善していきますが、経過が心配な方はすぐにご相談ください。
会陰部贅皮切除術後の注意点
会陰部贅皮切除術の施術を受けた方は、以下の点にお気を付けください。
- シャワーは翌日から可能ですが、水で優しく流す程度にしてください。
- また、入浴は施術後2週間以降から可能です。それまでは控えましょう。
- 施術後7日間は血行がよくなることで腫れや内出血などが強く出てしまうことがありますので、飲酒や運動はお控えください。なお、激しい運動は2週間程度お控えください。
- 性交渉は1ヶ月程度で可能です。
会陰部贅皮切除術に関するQ&A
Q1.施術の傷跡は残りますか?
会陰部にあるシワに沿って施術を行うため、傷跡は目立たなくなります。
Q2.施術中に痛みはありますか?
患者様のご希望に応じて、静脈麻酔、エクスパレル麻酔、笑気麻酔などを組み合わせて痛みに配慮しています。
Q3.出産時の会陰切開によって変わってしまった状態に効果はありますか?
会陰切開による傷跡の改善を目指すことも可能です。
会陰部贅皮切除術では、出産時に傷がついてしまった皮膚を切除し、傷跡が目立たないように会陰部のシワに沿って切開していきます。
Q4.出産後どの程度で施術を受けることができますか?
出産後、半年以上経過してから受けることをおすすめします。
産後から時間を空けることで、会陰部の傷が柔らかくなり、施術後の仕上がりがよくなります。
会陰部贅皮切除術の費用
当院では、以下の料金で会陰部贅皮切除術が可能です。
- 抜糸あり/132,000円
- ワンデー(抜糸なし)/198,000円
使用する麻酔の種類によっても料金が変動しますので、詳しくはカウンセリングのときにご相談くださいませ。