フェイスラインのたるみに悩んでいる方に選ばれている「サーマクール」は、長い歴史を誇るマシンですが、痛みが強いという問題点もあります。
この記事では、サーマクールの特徴や効果、リスクについて触れた上で、よりたるみ治療におすすめの「サーマジェン」や「スーパーハイフ」について解説します。
「たるみやシワ、ハリ感などに悩んでいて、安心できる治療法を探している」という方の参考になれば幸いです。
サーマクールは長い歴史を誇るマシン
サーマクールは、アメリカのSOLTA Medical社が開発したマシンです。
ちなみに日本では「ThermaCool (サーマクール)」が通称ですが、外国では「Thermage(サマージュ)」と呼ばれます。
1997年に特許を取得したのち、2003年に初代サーマクールが登場しました。
初代サーマクールが登場したのち、「サーマクールNXT」「サーマクールCPT」「サーマクールFLX」が登場。
米国FDA、EU、オーストラリア、など12か国で承認されているほか、総治療数はおよそ200万件に到達しました(2020年10月時点)。
痛みが強いなどの問題点もありつつも、サーマクールの効果やメカニズムについてさまざまな研究がされており、長い歴史を誇るマシンだと言えます。
サーマクールはRF(ラジオ波)でたるみにアプローチしていく施術
サーマクールは、RF(ラジオ波)でフェイスラインにアプローチしていくたるみ治療機です。
レーザーや光とは違い、メラニンや血管などの色素に大きく影響されないという性質を持っています。
RFにもさまざまな種類があるのですが、サーマクールに搭載されているのはモノポーラRF(単極型高周波)です。
単極という言葉のとおり、モノポーラRF(単極型高周波)は治療する部位に1つの端子を装着し、その端子から離れた部位に対極板を装着します。
これによって対極板の方向に高周波エネルギーが拡散されていき、肌の深部まで加熱できます。
チップの形状が工夫されており、ジュール熱に近い加熱が加わるため、皮膚の真皮や脂肪間の組織にまでアプローチできる点が特徴です。
熱が加わった肌は火傷状態になるのですが、この傷を治そうとする働きによってコラーゲンの生成が促され、たるみを引き上げて改善する効果が期待できます。
サーマクールはたるみだけではなく、シワや開き毛穴、透明度などにも効果的
「サーマクール=たるみ治療」というイメージがありますが、シワや開き毛穴、肌の透明度を改善する作用も見込めます。
たるみやシワが引き上げられることによる小顔効果が実感できるでしょう。
実際に南カリフォルニアで行われた研究によると、「肌のたるみ、シワ、毛穴、透明度が改善され、患者の満足度も高い(※1)」と評価されました。
また、カリフォルニア州ヘイワードで行われた研究では、「目元の周りのシワは50%(82人中42人)減少し、61.5%(65人中40人)の人の眉毛は少なくとも0.5mm上がった(※2)」と報告されています。
なお、サーマクールの持続期間には個人差がありますが、半年ほど効果が持続すると考えられます。
ただし、皮下脂肪の下垂や骨の萎縮によって起こる「加齢的な変化」には無効です。
とはいえ顔が上方向に引き上がるような引き締め効果が見込めるため、画期的な治療法のひとつだと言えるでしょう。
サーマクールには火傷や痛み、ひりつきなどのリスクがある
サーマクールの歴史は比較的長く、「安心安全」というイメージが強い方もいるかもしれませんが、以下のような副作用が報告(※3)されています。
- 火傷/痛み
- 赤み/腫れ
- ひりひり感/麻痺感
- 皮膚表面の凸凹/こぶ
- 水ぶくれ/ヘルペス
- 色素の増強
サーマクールは高周波による熱でアプローチしていく施術なので、火傷や痛みなどの副作用が主です。
ただ、痛みに関しては軽視できないので、以下の項目で詳しく解説します。
サーマクールは痛みが強く、麻酔をしても効果に差が出ない
サーマクールは熱作用が明確に生じる方式のため、それだけ強い痛みを感じやすいです。
グループA | グループB | グループC | |
検証方法 | 局所麻酔でサーマクールを受ける | 局所麻酔なしでサーマクールを受ける | 顔の半分は局所麻酔。 もう半分は麻酔なしでサーマクールを受ける |
平均治療レベル | 14.13 | 14.02 | ー |
ここで注目したいのが、半分麻酔、半分無麻酔で施術を受けたグループCの結果です。
「28人中、8人の被験者が麻酔をかけた側と麻酔をかけなかった側の間で、治療レベルに統計的に有意な差を示したが、照射エネルギーを大幅に上げることはできず、治療の結果には差が出なかった(※4)」と報告があります。
つまり、サーマクールの場合、麻酔を使用してもより効果的な施術はできないということです。
こちらは2005年に発表されたデータなので、2020年の報告も見てみましょう。
最新式のサーマクールCPTと前の機種であるサーマクールFLXを比較する研究では、以下のような結果(※5)が出ています。
- 痛み:FLXの方がCPTより25.5%痛い
- 効果:FLXの方がCPTより57.4%効果的
- 施術時間:FLXの方がCPTより66.0%速い
新しいサーマクールにはトータルチップが搭載されたことにより、施術の効果や効率は向上しましたが、痛みはさらに感じやすくなったということです。
2003年の発売以降、サーマクールの基本的な仕組みは変更されていないため、「サーマクール=痛みが強い」と考えて問題ないでしょう。
たるみには「サーマジェン」や「スーパーハイフ」がおすすめ
ここまで、サーマクールについて解説してきました。
「人気の治療だって聞いていたけど、痛みが強いのは怖い」などと不安に感じたり、たるみ治療を受けること自体に迷ったりしている方もいるのではないでしょうか。
サーマクールは歴史が長いマシンでありながら、痛みによる不快感は軽減されるどころか悪化しているとの見方もできます。
そこで、痛みが心配・不安だという方におすすめしたいのが、「サーマジェン」やHIFUです。
サーマジェンは当院が開発したマシンであり、サーマクールのジェネリック版と言えます。
サーマクールと同じモノポーラRF(単極型高周波)を搭載していますが、真皮から皮下組織をターゲットとしている点が特徴です。
HIFUは熱エネルギーを点状に照射していく仕組みを持つ方式で、SMAS(スマス)筋膜や皮下脂肪へのアプローチが得意です。
熱によって皮膚の凝固作用が促され、たるみやシワが引き上げられるという仕組みです。
サーマジェンとHIFUは相性がよく、たるみやシワへの高い効果が期待できるほか、痛みに配慮した施術ができます。
後から発売される医療機器は、従来のマシンの欠点やデメリットを補えるように開発できるため、「歴史が古いマシン=1番効果的」とは限りません。
また、サーマクールなど元祖の機械と比べて低料金化を実現しやすい点も強みです。
「痛みや副作用に配慮しながら効果的なたるみ治療がしたい」という方は、ぜひサーマジェンやHIFUをご検討ください。